ここで紹介する方法は木工用のチップソー(卓上丸のこ)にアダプタ的なものを作って裁断機にする方法です。いわゆる電ノコでなるべく安全に本の背をカットしようということです。
一般的に売られている厚い本が切れる裁断機は、なかなかに高価ですし、切断可能厚は最高で2センチくらいのようです。また、刃がなまった時の交換刃も高価なようです。
電ノコですと厚さ4センチ位までいけますし、刃の種類もたくさんあり、値段も高級なものでも3000円そこそこですので、気軽に交換できます。
というわけで、ビンボー人が知恵を絞って、電ノコに本を載せる台と背をあてるガイドを取り付けるアダプタ的なものを作って裁断機を作ります。
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改造する電ノコ
改造する電ノコは「新興製作所(SHINKO) チップソー切断機 MTC-190」または廉価版の「新興製作所(SHINKO) 卓上丸ノコ STC-190」です。STC-190では試していませんが、お店で見た感じではネジの位置が同じでしたので、同じやり方で可能なようです。
!ご注意!電ノコは基本的に扱いを間違えるとキケンな工具です。また、メーカーでも改造は禁止していますので、改造する場合は、まずは通常状態で木などを切って、動作の感覚をつかんでから、あくまでも自己責任でお願いします。
あと、安い電ノコである上に独自の加工をするので、加工精度はよくありません。再製本をお考えの方は別の方法でカットするほうがよいです。あくまでも、裁断後、廃棄するような資料のカットに使うのがいいです。
完成形
ムービー
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材料
- 板
- ワイヤー
- 皿ボルトM6x25mm 2本
- 皿ネジ M4X20MM 2本
- ブラケット(アングル材)
- ビニールテープ
工具
- 電動ドリル―なければハンドドリルとか、根性でキリとかでも可。直径6mm、深さ2cmくらいの穴の開けられるもの
- ドリル刃―直径6mmのもの
- ドリル用トリマー刃―開けた穴の入り口を加工して、皿ボルトの頭が板から飛び出ないようにする。彫刻刀とかでも加工は可能
- 六角レンチ―電ノコに付属していたもの
- 定規―50cmのものと差金があると便利
- プラスドライバー―皿ボルトや皿ネジを締める。電動ドリル用のドライバーチップがある場合はそっちのほうが楽
- 鉛筆、油性ペン―印をつけるため
作り方
作業をする前には必ず電源プラグをコンセントから抜いてください。
ハンドルを全開にします
定規を外します
板を加工します
板にスリットを開けます
ここからの作業はかならずコンセントを抜いてからおこなってください。
ガイドを取り付ける
安全カバーを外す
ここからは刃がむき出しになっているので取り扱いには注意してください
完成
これで完成しました。刃の出ている部分は写真の部分だけなので、そこそこ安全です。
使うときは、右手でスイッチを押しながら、左手で板に載せた本をガイドに沿って前に押し出します。
23cmくらいの長さまで切れますので、コミックなどは1回で切れます。
A4の本などは、半分切り込んでから、裏返して逆から切り込むことで切り落とせます。(なので、真ん中あたりの切断面はあまりきれいではありません)
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チップス
- より断面をきれいにしたり、静音にするには刃を静音の刃にしたり、歯数の多いものにするといいです。(と言っても夜に使えるほど静かにはなりません)
- 板の手前側が浮いているのが気になる方は、2x4(ツーバイフォー材)を下に置くとちょうどいい高さの下駄になります。
- ターンテーブルを固定するツマミを取ってしまっているので、知らないうちにターンテーブルの角度がゼロでなくなっている可能性があります。使う前には、製作時につけたターンテーブルの印がゼロに合っているか確認した方がいいです。
- 切りくずがたくさん出ますので、それ相応の用意をしておいたほうがいいです
- アマゾンでの参考価格です