ホットメルトシートは作り方の点で分けると、「自作」と「既成」の2種類になります。
用途で分けると、大きく分けると「製本用」、「手芸、工作用」があります。
素材で分けると、メーカーごとに違うので多種多様あります。
とりあえず手持ちのもので分類してみました。こんな感じです。
既成 | 自作 | |
製本用 | リヒトラボのホットメルトシート | 製本工房 とじ助のホットメルトチップ |
手芸工作用 | ダイソーのホットボンドスティック | |
藤原産業のホットボンドスティック |
値段は約50円~400円までかなり幅がありますが、では、これらで作ったホットメルトシートで製本するとなにか違うのか???
徹底比較してみました。(暇だなー)
まずは、ホットメルトシートづくりです。
ダイソーのホットボンドスティックで作ったものです。もとが白いので白いシートが出来ました。
次に、藤原産業のホットボンドスティックSK11で作ったシートです。
透明のスティックだったので、透けています。
次に、製本工房 とじ助で買った製本用ホットメルトチップです。
チップの色がクリーム色なので、やや黄みがかったシートが出来ました。
最後は、リヒトラボのホットメルトシートです。
これは既製品です。
さっきの製本用ホットメルトチップと同じように黄みがかった色です。
出来上がったシートの柔軟性を比較するために立ててみました。
ダイソーです。張りがあってへにゃりません。
藤原産業です。かなり柔らかくてへにゃって床につきました。
とじ助のホットメルトチップです。こちらも床につきました。
リヒトラボのホットメルトシートです。裏が粘着になっていて、剥離紙が付いているので、ヘニャりません。これは剥離紙のためなので比較外ですね。
まとめると、メーカーによって出来上がるシートの硬さは異なります。素材の配合とかが違うんで当たり前の結果な気がします。
では、これらを使って製本してみます。
条件を同じにするため、子供のコロコロコミックを(勝手に)ばらして、再製本してみます。
紙質は、コロコロなので、いわゆる雑誌のざら紙です。
厚さは、3cmの厚さの本にします。
背に入れる溝は1cm間隔で約1mm溝入れします。
では、製本です。手順とかはこちらを見ていただくとして、ホットメルトの乗り具合だけ写真を載せます。
ホットメルトが大いに流れ出しているのは、ホットメルトシートのサイズが大きすぎたからで、ご愛嬌ということで。
一様に溝にホットメルトが入り込んでいて、背が透けて見えるくらいの厚さでホットメルトが乗っているのがわかると思います。
できた本の開きやすさはどんなもんでしょうか。行きます。
はっきり言ってどれも変わりません、ベタっと開きます。まあ、そもそもうすーくホットメルトが乗っているだけなので、当たり前といえば当たり前かもしれません。
なんか徒労感満載の実験になってきました。
このままだと収まりがつかないので、気温が低い時の開きやすさはどうなのか実験してみました。
本を冷やすために冷蔵庫に入れました。
納豆とラーメンとコロコロが4冊はいっているシュールな冷蔵庫の光景です。
1時間冷やした後に、開いてみました。
では、結果です。
はっきり言って、違いがわかりません。スムースに開きます。
まとめると、調べた範囲内では、どこのホットメルトシートでも薄く塗布するのであれば開きやすさに変わりありません。
もうなんかアレなんで、耐久力テストもしてみました。
やり方は、本を開いた状態でおもりを吊るしてみて、重さによって背割れが発生しないか確認します。
吊する重さはペットボトル2本に水をいっぱい入れて、3.5kgです。
こんな仕組みにしてみました。
では、結果です。じゃじゃ~ん。
どのホットメルトシートでも3.5kgつるしても背割れは発生しませんでした。。。
これ以上やって壊してしまうのも何なのでこれ以上重くするのはやめておきます。そんなに強度必要ないと思うし。
というわけで、以上やってもやんなくてもいいような実験でした。
<結果>
・開やすさ ー 変わらない(薄く塗布するのであれば)
・強度 ー 変わらない(3.5kgまで耐えられた)
そうそう、一つわかったことは、リヒトラボのホットメルトシートと製本工房 とじ助のホットメルトチップは同じ素材ではないかということです。そもそも色が似ていますし、アイロンをあてて溶けた時の手応えの感じとか、溶け出す温度とか、背に塗布した後の見た感じとかがそっくりです。
今後は、劣化について比べてみたいと思うので、日の当たる窓際に4冊まとめて放置してみたいと思います。
待て次号(多分半年後くらい)。
2018.1.19
実験結果をこちらに記載しました。